これからのインフラメンテナンスには、費用対効果が期待できるインフラはどれかの見極めが欠かせず、また、予算を投入できないインフラへの対処をどうしていくべきかの検討も欠かせません。

https://note.com/tender_echium832/n/n0f66f7f474f4

要旨 : 地域インフラ群再生戦略マネジメントにおいて、メンテナンス予算の投入による費用対効果が期待できるインフラはどれかの見極めと、メンテナンス予算を投入できないインフラへの対処はどうしていくべきかの検討が必要ですが、これまで殆ど実施されていないのではないかと推察します。このままでは、費用対効果が期待できるインフラはどれかを見極めないまま、また、予算を投入できないインフラへの対処を検討しないまま、全国の自治体は、地域インフラ群再生戦略マネジメントを漫然と推進していかざるを得なくなります。これでは、過疎化や高齢化が進む中で、限りある予算をインフラ再生に最大限に有効活用していくことが難しくなりますし、大規模な災害が発生してインフラが広範にダメージを受けた場合に、復興策としてインフラを元通りにしようとする他には成す術が無くなってしまいます。しかし、多くの費用と時間をかけてインフラを元通りに再生できたとしても、過疎化や高齢化が進んでいる今日では、かつてのインフラ整備時に期待されたような便益は望み得ないところです。
そこで、自治体が地域インフラ群再生戦略マネジメントを推進する上で、費用対効果が期待できるインフラはどれかを見極めておくとともに、予算を投入できないインフラへの対処はどうしていくべきかの検討を積み重ねておきますと、過疎化や高齢化が進む中で、限りある予算をインフラ再生に最大限に有効活用できるようになりますし、また、大規模な災害が発生してインフラが広範にダメージを受けた場合に、限りある復興予算を最も効果的に執行できるようになります。
また、南海トラフ巨大地震等の発生が懸念されていますので、大規模災害発生後のダメージコントロール(つまり、被災後直ちに実施する被害の拡大防止措置と被害からの早期回復に向けた措置)を迅速かつ的確に実施するためにも、費用対効果が期待できるインフラはどれかを見極め、また、予算を投入できないインフラへの対処はどうしていくべきかについての検討を積み重ねておくことは、自治体における効果的な災害対策・復旧対策の立案に繋がります。

令和6年2月23日 澤田雅之

前の記事へ 次の記事へ